メキシコで始めてみませんか、雇われない生活。自由な人生。
メキシコではたくさんの外国人が思い思いのスモールビジネスを立ち上げてゆるりと生きています。
私は和雑貨クリエイターとして生計を立てています。
まずは私についてちょっとご紹介しておきます。
メキシコで自営業をしたいと思う誰かの役に立ちますように。
Contents
ビジネスをはじめた理由
もともと雇われて働くのが性に合わないなあと思ってたんです。
だから、何をしたら自分で生計を立てられるか、いつも考えていました。
黙々と手作業をするのが好きだったこと、自分の日本人という特性を生かすことができることから、思いついたのが和布を使った雑貨の作成・販売でした。
そして取り急ぎ日本から和布を取り寄せて小さいポーチと、ラッピングネックレスを作ることから始めてみました。
手縫いでチクチクチクチク、おばあちゃんの手仕事的な毎日。
ビジネス案の候補
絶対に日本食の販売だったら成功できると思ってたんです。
でももともと飲食業に携わるのは得意ではありませんでした。
衛生面の管理とか、毎回ぶれない味とクオリティを提供しないといけないとか、賞味期限のあるものの管理とか、ちょっと大変だなあと思って躊躇してしまいました。
飲食業を選択しませんでしたが、今もまだ諦めていません。
どうにかして飲食業を始められるように、画策中。。。
他に考えたのはメキシコ雑貨とメキシコ原産の天然石の日本への輸出。
ホームページを作るところまで行ったけど、発送物の破損・紛失のリスクと、日数がかかることを考えたら後回しになりました。
メキシコは郵便局があまり機能していなくて、メキシコ国外からの受け取りは1か月くらいかかるし、国外への発送は紛失のリスクがとても高いです。
リスクの少ない発送方法はFEDEXとかDHLになり高額になるので、送料を考えるとお財布のひもの固い日本人が買いたくなる値段をつけることが難しかったです。
それとホームページでメキシコ雑貨販売の広告を出していると、メキシコ人からのバッシングがすごかったです。
”チーナCHINAが我が国の手工芸品の偽物を販売している”っていう。
それにめげたわけではないけど、その時は保留にしました。
つぎに日本雑貨のメキシコへの輸入も考えましたが、日本の物は高いのですよ。
外国人が欲しくなるような素敵な和雑貨は、結構なお値段です。
今でこそ円安だからそんなに高くないけど、それでも送料を考えると安くない。
そこで材料だけ買って自分で作ったらコストが安く利益が上がりやすいと思ったのです。
*ビール飲みながらの手作業はメディテーションにもなります。
ビジネスを始めた時期
というわけでハンドメイド和雑貨の作成・販売を始めました。
はじめたのは、メキシコに住み始めてから7カ月たったころ。
はじめの6か月住んでいたグアナフアトから、グアダラハラに引っ越してすぐのことです。
その時はまだ会社員だったので、仕事が終わった後の7時から11時までと、土日に商売を始めました。
休日はもちろんナシ。
土日の空いた時間に寝る時間を削って制作活動をする、一人ブラック生活が始まりました。
場所はグアダラハラの繁華街チャプルテペックです。
チャプルテペックに路上マーケットがあって、そこに参加する形で販売を始めました。
一畳くらいのテーブルを借りて、そこに自分の作品を並べて買ってもらえるのを待ちます。
しかし、売れない売れない。
人通りが多いのに、立ち止まる人はいるのに。
場所代一日300ペソなのに、売り上げが100ペソあればいいほうだったりして。
*唯一残っていたチャプルテペックの路上店舗の写真。たまたま通りかかった友達が撮ってくれました。
収益が出始めた頃
売れなかったけど、会社員の仕事があるのでそんなに売り上げは気にしないで続けられました。
こんなんじゃ、会社辞められないなあとぼやきながらも。
でもある時から急に売れ出始めました。
一日の売り上げが100ペソだったのが1000ペソになり、2000ペソになり。。。。
チャプルテペックでの販売を始めて1年たったころでした。メキシコに住み始めて1年半のころです。
なんでだろうと不思議に思って考えて思い当たった理由はただひとつ、スペイン語が上達したこと。
セールストークって、大事。
一人ではじめるのは不安?
始めたころは、何もわからないしスペイン語もままならなくて、すごく不安だったのです。
一緒に悩んでくれる人、一緒に決断してくれる人がほしかった。
だから、たまたま知り合ったメキシコ人女子を誘って一緒にブランドを立ち上げようとしました。
結果的にはそれは失敗。
それぞれのアイデアとか、熱量とか、目指すゴールは違うので段々シンクロしにくくなってくるのです。
一緒にブランド名を考えてコンセプト考えて、将来の目標も一緒に考えたけど、二人が自然解散するのにそんなに時間はかかりませんでした。
でも、最初に始める不安を取り去ってくれたことは事実なので彼女にはとても感謝しています。
で、言いたいことは、スモールビジネスは自分一人でやるものだということです。
リピーターがついてきた頃
1年経ち、売上げが上がり始めて間もなくリピーターのお客さんもちらほら出てきました。
主に、アニメがきっかけで日本に興味をもったヲタク系。
しかしヲタクの人はヲタク道にお金を散在するので基本的にお金のない人が多いです。
いつも買いに来てくれるけど、そんなにいい収益にはつながらず。
それよりも、ぼちぼち発信していたFacebookの宣伝で、遠方から発注してくれる人がでてきました。
そして遠方の人のほうがリピーターになりやすいっていうね。
きっと、直接会うよりも密な連絡するからなんでしょうか。
引っ越し、そして空回り
グアダラハラで販売を始めて二年目。
売り上げがあがってきたなあと思った頃に、バハカリフォルニアのトドスサントスに引っ越しすることになりました。
グアダラハラでの商売が先行き明るくなってきた頃だったので、妙に自信があったんです。
せっかくお客さんがついたけど、また一から始めて前よりももっと成果をあげようと、意気込んでおりました。
引っ越してすぐに、怒涛のFacebookプロモーション投稿をはじめ、新しく知り合う人みんなに自分のビジネスのこと宣伝したりして。
生保の勧誘かカルト宗教の勧誘かくらいの勢いで宣伝してたかもしれません。
今思えば、とてもうざい人でした。
実店舗開店、そしてすぐ閉店
気合が入りすぎたせいで、引っ越して2か月目に実店舗を構えるために場所を借りました。
トドスサントス中心地の通りに面したちょうどいい広さで手ごろな賃貸料金の。
でも、間違いだったのは、店舗をあければ自動的に収入が入ると思ってたこと。
実際は店に入ってくるお客さんなんてほとんどいなかったですよ。
売り上げ不振の理由は主に三つ。
トドスサントス中心地といっても、人の流れの無い場所だったことと、入りたくなる素敵なインテリアがそろっていなかったこと、トドスサントス住民の生活パターンを把握していなかったことです。
場所は、トドスサントス中心地なんだけど主な観光スポットを巡るルートから惜しい感じで外れていました。
そして店の前に立派な扇サボテン?の葉が広がっていて、観光ルートからは全く見えなかったのです。
インテリアについては、遠くから見て入ってみたいと思うような店がまえと照明があってこそ集客できるもんだけど、それをわかっていなくて、改装中の店内にテーブルを出してそこに商品ひろげただけの、イケてない店でした。
トドスサントス住民の生活パターンというのは、朝早い時間はサーフィンしたり、ヨガしたり、走ったり、健康的にスポーツして、11時とか12時とかにブランチの時間になります。
そしてブランチ対応のカフェがすごくおおくて、ブランチ時間に合わせてライブ音楽があったり、ハンドメイドマーケットがでたりします。
住民もそれに合わせて行動するんです。
日曜日はここのカフェで音楽が聞けておもしろいマーケットががあるから、行くようにする、とか。
そしてその人が集まる場所には、人がお金を持って集まります。
それをわかっていれば店舗はあけずに、マーケットでの販売をはじめからできていたと思います。
そんなこんなでリサーチ不足。準備不足。
気合を入れて始めたワタクシの店は開店から2カ月で閉店となります。
売り上げが上がらなかったこと以外に、閉店した一番の理由は、就労VISAが自営業では更新できなかったこと。
この時、まだ4年間の就労という、永住VISAを申請するための条件期間を達成できていませんでした。
会社員で働く代わりに自営業でも”就労”扱いになると思っていましたが、それは間違いで、雇われてないと就労VISAの継続ができなかったんです。
ラパスの市役所に店舗の営業許可を取りに行って、その後に移民局に会社員から自営業に転身した旨申告しに行ったら、自営業では永住権を取れないと言われました。
しかも前職を退職して三か月以内に新しいところに就職していないと、高額の罰金が発生するとのこと。
その時点で三か月のタイムリミットの残りは一か月しかありませんでした。
超パニック状態。心配しすぎて10円ハゲできました。
そういうわけで初めての実店舗は閉店して、大急ぎで就職先探したってワケ。
運よくラパスの某ダイビング会社に仕事が見つかってよかったです。
メキシコにおいてはありえないブラック企業だったけど、VISA喪失の危機を救ってくれたあの会社には、本当に感謝しています。
*準備中のまま、閉店したお店。
路上マーケットを始める
メキシコでは実店舗を持つよりもイベント型のマーケットに出店する方が儲かることがわかったので、ダイビング会社で働きながら、
毎週特定の日に開催されるマーケットに行くようになりました。
火曜日と土曜日、ラパスの行動で開催されるファーマーズマーケットです。
毎回40店舗くらいが各自テントを持ってきて出店し、オーガニックの食材やおしゃれなギフトを探しに地元の外国人が通う人気のスポット。
仕事のシフトをその日に休めるように調整してマーケットにいっていました。
彼氏だった旦那が、当時ひまだったので時々代わりに販売に行ってもらったりしていました。
*今も毎週火曜日と土曜日にラパスのマレコン近くに開催されます。8時~2時。入場無料
まだ仕事をしていたので週二回だけの販売でしたが、少しづつ新しいリピーターもできてきて、マーケットでうまくやるノウハウも学習しました。
マーケットでうまくやるコツって、人間関係のことです。
主催者とうまくやるのはもちろんのこと、他の出店者ともいい関係でいなければなりません。
ひとりでやる仕事でも、人間関係の構築は大事。
会社を退職、そしてコロナ禍
メキシコにわたって5年目、バハカリフォルニアスールに住み始めて2年目に永住権が取れたので、会社は辞めました。
そして自分のスモールビジネスだけで生計を立て始めました。
この時には雑貨販売を始めてからすでに三年半たっていました。
週に2000ペソくらいは販売の収入があったので、マーケットに行く日を増やせば大丈夫かなと思っていました。
月に7万円くらいの収入です。
カツカツだけど、若干貯金もあったので生きていけるかなと。
しかし!まさにその年にコロナ禍がはじまりました。仕事辞めたばっかりなのに。
収入減であるはずのマーケットはすべて閉鎖。
お客さんになるはずの人たちもお金が無くなって、売り上げは激減。
しょっぱなから雲行きが怪しい感じ。。
どうしよう、と思って考えた末、日本語教室をオンラインではじめました。
皆さんコロナで家に閉じこもっていたので次から次へと申し込みがあり、コロナから1年から1年半くらいの間は日本語教室が生計の中心になりました。
スペイン語を使って日本語を教える先生があんまりいないのも、生徒さんが増えた理由です。(日本語で日本語を教えるのが主流)
自営業としての自立
コロナ後も落ち着き、マーケットでの顧客も増え、売り上げが良かったり悪かったりしても毎年確実に前年よりは収益が増やせるようになりました。(現在コロナ後4年がたちました。)
ミシンを買ってから作るスピードが速くなったと言うのもあります。
なんでもっと早く買わなかったんだろう。
少しづつだけど、ビジネスは大きくなっていっています。
バハカリフォルニアスールにはシーズンオフがあって、夏の暑い時期にはマーケットが開催されません。
その時期は日本語教室だけで生計を立てています。
コロナ禍は大変だったけど、二つ目の収入源を持つきっかけになってくれたのでいい経験だったと思っています。
*こちらはコロナ中に作った電子カタログの表紙です。作るのすごい大変だったのに、アプリの期限切れでカタログはもう見られなくなってしまった。
今後の目標
今後はオンライン販売に力を入れていきたい。
https://kimmokuseimex.company.site
マーケットに来る人だけがお客さんじゃないから。
きっと知らないところに私の作品を欲しがる人がもっといっぱいいるはず!
作品作って、マーケットに行って、日本語教室やって、ホームページ更新してとなると、ものすごく忙しいけど。🙂
作品を作るのを他の人に依頼したこともあります。
でも、意外と仕事は楽にならなくて、時間も費用も掛かるのが割に合わないと思ったので、最近は全部自分で作っています。
今年はオンライン販売を軌道に乗せられるように頑張ります。
*モデルは全部自分です。自動的にきれいに加工した写真がとれるHUAWEIのスマホがお気に入りです。腕とか首とかあんまり日焼けしていないように見えませんか??
まとめ
自分一人のスモールビジネス。
何よりも時間が自由になるのがいいです。
自分のやり方で自分の責任で全部できるところも。
雇われるだけが人生ではありませんよ。
こんなヤクザな生き方をしていてもなんとかなっています。
メキシコで起業してみませんか?
最近は日本では退職代行サービスが流行っているらしいじゃないですか。
社名ABAYOって、おもしろすぎない!?
他のビジネスも取材させてもらって、いつか記事にできたらいいなと思っています。
乞うご期待!
こちらが私の和雑貨ブランド。KIMMOKUSEI といいます。
ロゴはグアダラハラの時の会社の同僚に作ってもらいました。
こちらはオンラインショップ。まだ自作の物は載せてないけど!
https://kimmokuseimex.company.site
ロコタビで旅や移住のご相談承っております。
https://locotabi.jp/loco/akikomex
こちらの記事もご覧ください。
副業(?)の日本語クラスについても書いています。